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栃木県の放射性物質検査の現場を見学
2012年7月24日 09:07
 
塩原温泉、今朝はくもり。
昨日は午後、晴れて、少し夏らしい天気になりました。
今日はまだくもっていますが、
少し前の涼しさとはちょっと違うようです。
暑くなるかな。

さて、先日のかんぴょう産地視察の際に、
もう一箇所、見学してきた場所があります。

栃木県の農業試験場です。
こちらで、栃木県の農産物の放射性物質モニタリング検査をしています。
その最前線の現場に案内していただきました。

日頃から、私自身は食品の放射性物質検査を
独自で積極的に行っていますが、
今回の見学は、決して私が要望を出したわけではなく、
県側が設定したもので、
県としても、その取組みを見てほしかったのだと思います。

福島第一原発事故を受けて、
栃木県の農産物にとって、
放射性物質の検査は死活問題です


最初は表面に付着した放射性ヨウ素が問題になり、
ほうれん草やかき菜などの葉物が出荷停止になりました。
そして、汚染された稲わらを食べた牛の肉。

最初、検査機器があまりない状況下では、
すべての農産物が汚染されている・・・そんなイメージがありました。
その後、検査体制が少しずつ整えられ、
汚染されているものとされていないものの傾向が
段々つかめてきました。

私は那須希望の砦の測定所にて、検査していますが、
市民測定所等では、NaI式の機器による簡易測定がほとんど。
(NaIシンチレーションスペクトロメータ)
検出限界などの問題がついて回ります。

県の農業試験場にある測定器は2台。
1台2000万円ほどもする、ゲルマニウム半導体式
より精密な検査が可能で、
各地の農業振興事務所でNaI式の検査において、
50ベクレル以上の数値が出たものと、
県が独自にモニタリングしている農産物が持ち込まれます。

確かに、大きくて、いかにも遮蔽率が高く、
バックグラウンドの影響を受けなさそうでした。
測定データの波形も資料にありましたが、
NaI式と比べて、波形の出方もかなり細かく、きれい。
こんな測定器が身近にあればいいなあと、つくづく思いました。

駆け足の見学でしたが、
今回、へえ〜と思ったのは、牛の血液検査をしていること。
牛の血を100mlのU8容器にて測定。
血液の検査で8ベクレルを超えると、
ロース肉の部分で100ベクレルを超えることが予測される
そうです。

1頭1頭、解体する前に、
血液検査で大体の傾向がつかめる・・・
これが人間にも応用できればいいですね。

機械が熱くならないように、
かなり強めの冷房がかかっていた、測定室。
一方、冷房のない部屋で、
汗だくになりながら、検体をひたすら刻んでいた職員。

近々もう1台導入が決まっているものの、
福島県に比べれば、機械の数は絶対的に少ないです。
先頃の山菜のシーズンには、対応が遅れました。

原発事故以前は、農産物の品種改良など、
全然違う研究が行われていた農業試験場
です。
検体を刻む部屋を見ても、即席で作った場所だとわかります。
今や放射性物質の測定が主業務になっているということ。
一日約30検体をひたすら刻む職員さんに、
「ありがとうございます」と頭が下がりました。

栃木県農業試験場栃木県農業試験場。

 

 

 

 

 


スライドを見ながら最初にスライドによる
試験場の取組について。

 

 

 

 

 

いちごの新品種開発いちごの品種開発も。

 

 

 

 


 

クリーンルームクリーンルームもあります。

 

 

 

 

 


ゲルマニウム半導体式の測定器機械のために冷房が聞いた
測定室。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


こちらは前処理室冷房のない前処理室。

 

 

 

 

 


このくらいに粉砕このくらいの大きさに粉砕。
これはバターナッツ。